投稿者の過去記事

成長の「量」と「質」──これからの日本に必要な視点
私たちが「成長」と聞いたとき、まず思い浮かぶのは売上や利益、GDPといった数字ではないでしょうか。こうした“量”の拡大はわかりやすく、評価もしやすいからです。日本も戦後から長らく、この「量的成長」を追い求めてきました。でも成長には…

国の借金、本当の“破綻”とは何か
〜恐怖ではなく、未来をつくる物語へ〜ニュースを見ていると「日本の借金は1000兆円以上」「このままでは将来世代にツケを回す」という言葉を耳にします。あたかも国が一家の家計のように、借りすぎれば破綻して生活が立ちゆかなくなるかのよう…

使命・随喜・遊心 ― 社会に出てからの小さな羅針盤
社会に出ると、まず求められるのは「役割」や「責任」だ。学生の頃は自分の興味や得意なことを中心に動けていたのに、働き始めると一気に景色が変わる。会社や組織の中で成果を出し、期待に応えることが日常の中心になる。それはとても大切なことだ…

独立系財政機関とは
新社会人の皆さんへ──いまの社会で「お金の使いみち」がどこで決まり、どう監視されているのか、疑問に思ったことはありませんか?社会人として働き始めると、自分たちが納める税金や企業のお金がどう使われるのか、より身近に感じるはずです。最近、フジ…

インフレ時代の必須能力:「投資家的マインドセット」のススメ
― 給料は目減りし、未来は読めない。それでも生き抜くために ―2025年。物価は上がり、将来は見えにくくなっています。家賃、光熱費、食料品のすべてがじわじわと高騰する中、あなたの「給料」は果たしてどれだけ耐えられるでしょう…

インフレ時代の企業依存リスクと若者の未来
──「競争」か「共創」か、自分の価値観で選ぶ時代へはじめに:物価が上がるだけじゃないインフレの本質「なんだか最近、物価が高くなってるよね」そんな会話が当たり前になって久しいこの頃。実はインフレ(=物価上昇)は、単に…

複雑な社会にこそ必要な「性弱説」──努力神話の終焉と支え合う社会のかたち
1. はじめに──性善・性悪の時代から性“弱”の時代へ「人は生まれながらにして善である(性善説)」「いや、悪である(性悪説)」──こうした人間観は、古代中国の儒家・法家以来、教育や社会制度の設計に大きな影響を与えてきました。日本に…

悟性と思い込みの違い 〜見えるものと見えないものを分ける知の境界〜
序章:「理解」とは何か「人は見たいものしか見えない」とよく言われるが、それは思い込みの恐ろしさを端的に表す言葉だ。一方で、同じ現象を見て、そこから普遍的なルールや構造を読み取れる人もいる。彼らは「悟性」を働かせている。この…

悟性と教育——分断の時代を越える力を育むには
■ はじめに:知識ではなく「悟る力」が問われる時代21世紀、私たちは情報の洪水に生きている。検索すれば一瞬で答えが得られ、SNSで誰とでも議論が交わせる。だが皮肉なことに、知識が手軽に手に入るようになった一方で、社会の分断はむしろ…

「共通善」を生きる:自己実現と社会貢献の交差点で
■ 共通善とは何か「共通善(Common Good)」という言葉には、時代を越えて人間社会の根本にある価値が凝縮されています。簡潔に言えば、共通善とは「社会全体が共有し、利益を得られる価値や条件」のことです。個人の利益ではなく、共…