日本を継承するために① 評価軸の転換

私たちは長い間、「安く」「早く」「効率よく」を正義としてきました。

コスパ、タイパ、即効性。どれも合理的な考え方です。

しかし今、日本のあちこちで違和感が生まれています。

•   技能者が減る

•   地域産業が細る

•   若者が現場に入らない

•   研究開発が短期回収型に偏る

どれも「評価軸」の問題です。

本当に必要なのは、

コストではなく継続性で測る視点ではないでしょうか。

  1. 自らの人生を「継続」という観点から見直す

国家や産業の話の前に、まず自分自身です。

私たちは人生を、

•   年収

•   昇進

•   フォロワー数

•   資産額

で測りがちです。

しかし、それらは“点”の評価です。

継承の視点は“線”で考えます。

•   10年後も続いている仕事か

•   身体は維持できているか

•   家族や仲間との関係は深まっているか

•   技能や知見は誰かに渡せるか

継続とは、

密度を保ちながら時間を重ねることです。

目先の効率だけを追えば、

•   睡眠を削り

•   関係を犠牲にし

•   体を酷使し

やがて持続できなくなります。

国家も同じです。

  1. コスパ・タイパでは生き残れない時代

日本の産業は長く「安さ」で戦ってきました。

•   人件費削減

•   下請け圧力

•   研究費の抑制

•   設備投資の先送り

その結果どうなったか。

•   技能の断絶

•   サプライチェーンの脆弱化

•   価格決定力の低下

•   若手の敬遠

短期的には“効率的”でした。

しかし長期では、

厚みを削ったとも言えます。

例えば製造業。

熟練者の育成は非効率です。

若手に時間をかけるのも非効率です。

でもそれを省けば、

10年後の競争力はなくなります。

農業も同じです。

価格だけで競争すれば疲弊します。

ブランド化や輸出設計は時間がかかります。

しかしそこに未来があります。

  1. 「安さ」を再定義する

安さには二種類あります。

① 技術革新による健全な安さ

② 人や未来を削る安さ

後者は“前借り”です。

いま安い代わりに、

将来のコストを積み上げています。

同様に、非効率にも二種類あります。

① 単なる無駄

② 冗長性・育成期間という投資

災害対応、医療体制、エネルギー安全保障。

平時には非効率でも、

有事には社会を支えます。

人生でも同じです。

•   学び直し

•   体力づくり

•   家族との時間

短期収益は生まなくても、

人生の耐久力を高めます。

  1. 評価軸をどう変えるか

「効率」から「継続性」へ。

評価の問いを変えるだけで、

行動は変わります。

× 今年いくら儲かったか

○ 10年後も価値を生んでいるか

× どれだけ早く終わらせたか

○ どれだけ深く積み上げたか

× 何人削減したか

○ 何人育てたか

日本を継承するとは、

時間を味方にする設計へ戻すことです。

  1. 個人から始まる転換

国家がすぐに変わらなくても、

•   投資の時間軸を伸ばす

•   技能を軽視しない

•   価格だけで選ばない

•   継承に敬意を払う

こうした選択はできます。

「俺が俺が」ではなく、

「次に何を渡せるか」。

この視点が社会に広がれば、

評価軸は自然に変わります。

終わりに

日本を継承するとは、

過去を守ることではありません。

未来に渡せる構造をつくることです。

コスパやタイパは道具にすぎません。

目的は、持続する豊かさです。

人生も国家も、

短距離走ではありません。

密度を保ちながら、

長い距離を走り切れる設計へ。

評価軸を変えることは、

その第一歩です。

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